ABU社製「Ambassadeur」の「ウルトラキャストデザインスプール」を採用するリールにおいて、負荷の大きな釣りや、スポーツキャスティングの遠投競技などでは、シャフトに「しなり(まがり)」が生じる問題がありました。
シャフトがしなってしまうことによって、実釣では、スプールエッジがフレームと接触して擦れてしまったり、遠投競技では、スプールの超高速回転でシャフトが微振動することによる共振現象で異音が発生し、飛距離が落ちる悪影響が出ていました。
このシャフトのしなりは、スプールを支えるシャフトの支持部が、「シャフトの両端部」である、ウルトラキャストデザインモデルの構造上の弱点から発生するもので、特に支持部間距離が広い、6000番>5000番>4000番の順に、影響が出ていました。
これを解決するために開発されたのが、超硬タングステン合金製の強化シャフト『スネイクゲームシャフト(#6000/#5000)』『ズーナマゲームシャフト(#4000)』です。
ABU純正シャフトに使用されるステンレス素材よりも格段に強い、「タングステン」をシャフト素材に採用することで、「4000番:44%強度UP/5000番:38%強度UP/6000番:29%強度UP」の、純正シャフト比の強度UPを達成! シャフトのしなりを排除し、スプールを強靭に支持します。
当ブランドの「超硬タングステン合金シャフト(試作)」を使用した遠投競技の選手が、遠投競技の大会で優勝!
ウイニングシャフトになりました。
シビアな性能が求められる遠投競技での優勝で、当シャフトのスプールの超高速回転を支える性能・トータルバランスが証明されました。
≪優勝報告ブログ≫
・正岡哲哉さま(第29回NSC選手権大会/JSCFオープンSC大会)
「タングステン」とは
当、超硬タングステン合金シャフト(Carboloy Spindle)に使用されている金属素材「タングステン」は、高硬度、高弾性率、高圧縮強度、耐摩耗、耐衝撃等などのすぐれた性質を持ち、金属切削用工具などの材料としても用いられる金属です。
その他、高い硬度を利用して、戦車のような、硬く厚い装甲を貫通するための「徹甲弾」の弾芯に用いられるほか、釣りの世界では、同じ重さなら、鉛よりもタングステンのほうが体積が小さく作れて、飛距離が出たり、沈下速度が速いので、おもりやメタルジグなどの素材にも採用されている素材としても有名です。
当ブランドでは、スプールをベアリングを介して支持し、シャフトが折損破断限界まで、「たわみ」や「歪み」を最小限に抑えながらスプールにかかる負荷を限界まで支えてくれる、最適なシャフトの素材として、タングステンを採用しております。
シャフトの「しなり」について
魚が掛かると、その負荷は、ライン、ロッドを伝わって、リールのスプールにかかります。そのスプールは、一本のシャフトで支えられており、高い負荷がかかると、シャフトがしなります。
この結果、純正ステンレスシャフトの場合、支える力が限界を超えると、シャフトがしなって(曲がって)しまい、結果、「スプールエッジとインナープレートとの接触し、削れてしまったり、リールが巻けなくなる悪影響を及ぼします。
そこで、ステンレスよりも高強度なタングステン製強化シャフトを導入することで、限りなく変形量を抑え、スプールを支持することができます。
共振防止について
実釣では、あまり耳にしない現象ですが、これは、「スポーツキャスティングの遠投競技の世界」において、悩まされていた問題となります。
遠投用のオモリをキャスト後、50gから100gほどもあるオモリが飛んでいき、スプールが超高速回転をします。この時、ベアリングとスプールの超高速回転と、それらから発生する振動がステンレス製シャフトに伝達され、ある条件下で共振してしまうと、大きなノイズが発生し、これが飛距離の大幅ダウンを引き起こしていました。
そこで、タングステン製シャフトを導入することで、シャフトがたわんだりせずスプールの超高速回転を支える事で、限りなく共振現象によるノイズの発生をおさえ、安定したキャスティングが可能となります。
実釣で導入するメリット
形状は、純正シャフトと同形状のため、純正シャフトとの入れ替えで、そのままお使いいただけます。
主な用途として、ライギョやナマズ、重い仕掛けを遠投する、海のカゴ釣りなど、リールへの負担が大きな釣りには、シャフトのしなり(まがり)を最小限に抑えて、スプールを正常な位置に保持してくれます。
特にライギョのような、大きな魚がターゲットの釣りにおいて、水草のカバーからライギョを引きずり出してくるような、リールへの負荷が大きな釣りには有効です。
スポーツキャスティングの用途で導入するメリット
当商品は、もともと「スポーツキャスティングの用途」で、開発された商品です。
可能な限り共振現象を抑え、飛距離を伸ばすことができるメリットがあり、すでに試作品のシャフトにおいて、3回の優勝の実績を上げています。
特に4000番のタングステンシャフトはスポーツキャスティングの選手からの強い要望で商品化された経緯があります。
4000番、5000番、6000番の3サイズ
商品全景です。
ABU社製「Ambassadeur」の純正シャフトと同寸です。
素材がタングステンになったため、色がガンメタリックになっています。
実釣での使用(海水での使用)も考慮し、純正が真鍮製のカラーを使用しているところ、サビや変色に強い、ステンレス製カラーを採用しました。
当試験は、公的試験機関で行った、「ステンレス製純正シャフト」と「超硬タングステン合金シャフト」との強度比較試験を、「3点曲げ試験方式」によって行った試験結果です。
「3点曲げ試験方式」は、実釣時に、スプールやベアリングを介してシャフトにかかる荷重を再現したものではありませんが、シャフト素材を「ステンレス」から「タングステン」に替えることで得られる相対的な強度差を参考値として比較対象することを目的に行いました。
計測結果から、超硬タングステン合金シャフトは、全モデルで純正シャフトを大幅に超える強度を持つことが分かりました。
一見使えそうな純正ステンレスシャフトも、カラー部分で曲がって「ゆがみ」が生じており、取り付けできません。
また、タングステンシャフトの折損端面を見るとお分かりになると思いますが、タングステンは曲がらず、折損限界で一気に折れます。
素材としてはすべて共通で、タングステンという金属としての強度は同じですが、シャフトの長さによる、力点、支点間距離の違いが強度に反映され、4000番がもっとも高負荷に耐えられるという結果となりました。
また、素材の弾性率の違いから、タングステンシャフトはカラーがはまっている細い部分で「バキンと折れて使えなくなる(折損)」するのに対し、ステンレスシャフトは同じカラーがはまっている細い部分が「グニャリと曲がって使えなくなる(曲損)」する違いが見られました。
超硬タングステン合金製 強化シャフト(Carboloy Spindle)
スネイクゲームシャフト ABU#6000/#5000
ズーナマゲームシャフト #4000
「ウルトラキャストデザインスプール 採用モデル」専用
希望小売価格:税別13,600円(税込14,960円)
≪スネイクゲームシャフト6000番≫
・材質:
超硬タングステン合金(シャフト)
ステンレス(カラー)
・寸法:全長約85.2mm×径 約4mm
・適合する6000番 純正シャフト品番:「1283838」、「802631」等
・重さ:約12.7g(純正7.3g)
・強度:45kg負荷で折損
(純正は35kg負荷で変形・使用不能)
純正比約29%強度UP
・日本製(Made in Japan)
・© 2024 SWAMP RAMBLER
≪スネイクゲームシャフト5000番≫
・材質:
超硬タングステン合金(シャフト)
ステンレス(カラー)
・寸法:全長約76mm×径 約4mm
・適合する5000番 純正シャフト品番:「1283837」、「802630」等
・重さ:約11.1g(純正6.3g)
・強度:55kg負荷で折損
(純正は40kg負荷で変形・使用不能)
純正比約38%強度UP
・日本製(Made in Japan)
・© 2024 SWAMP RAMBLER
≪ズーナマゲームシャフト4000番≫
・材質:
超硬タングステン合金(シャフト)
ステンレス(カラー)
・寸法:全長約66.7mm×径 約4mm
・適合する4000番 純正シャフト品番: 「1546855」、「802627」等
・重さ:約9.4g(純正7.3g)
・強度:65kg負荷で折損
(純正は45kg負荷で変形・使用不能)
純正比約44%強度UP
・日本製(Made in Japan)
・© 2024 SWAMP RAMBLER
写真のように、スプールから、ABU純正シャフトを引き抜き、当商品に付け替えてください。
純正シャフトと同寸のため、差し替えるだけでそのままご使用いただけます。
・適合するリールの機種について
「超硬タングステン合金シャフト」は、スプール径が約39mmであり、スプールからシャフトが抜ける(シャフトがスプールから抜ける)、ウルトラキャストデザインスプール採用モデルの、6000番、5000番、4000番サイズに、お使いいただけます。
※適合する純正シャフト品番
4000番:「1546855」、「802627」等
5000番:「1283837」、「802630」等
6000番:「1283838」、「802631」等
ABU社製リールの中には、「プロマックス5600タナベスーパー」「プロマックス6600・ブラックマックス6600」等のように、「丸アブで、スプールからシャフトが抜けるウルトラキャストデザインスプールを採用する5000番・6000番クラス」でありながらスプール径が37mmのものがあります。
また、「6500C32SPEED」「5500C32SPEED」のように、スプール径が39mmであっても、シャフト長が異なるモデルもあります。
これらのリールは、シャフト形状が違うため、当商品は、使用できません。
購入前に、必ずお手持ちのリールのシャフトサイズをご確認ください。
※クリックアンドコグギア(白い樹脂製のギア)は、基本的に、リールに使われているギアをそのままお使いください。
※写真は6000番スプールの例です。スプール幅が広く、写真も見やすく説明がしやすいため、共通の使い方の解説とさせていただいております。使用法は、5000番、4000番の場合も、同様です。
・実釣での使用について
魚を釣る目的の「実釣」にもお使いいただけます。
ただし、ステンレス製純正シャフトは、破損する限界を超えた負荷が掛かると、シャフトがしなって(曲がって)、力を逃がしてくれるため、タングステンにくらべて弱い素材であるからこそ得られる、良い面もあります。
対して、超硬タングステンシャフトを使用した場合、ステンレス製純正シャフトを超える負荷に耐えてしまう分、シャフトを支えるリールの両端部内のカップ内の支持部分や、その他部分に負担が集中してしまい、破損する場合がございます。
そのため、折損限界まで力を掛けず、リールをいたわってお使いいただけますようご注意ください。
・シャフトの折損について
「超硬タングステン合金シャフト」は、長年の使用による金属疲労や、限界を超えた負荷がかかった場合、細くなっている「カラー」の所で折れる場合があります。強度はある素材ですが、永久的なものではありません。
また、硬く強度があることで、破損する際は一気に破断し折損してしまうことでのデメリットがあります。
例えば、ステンレス製純正シャフトの場合は、曲がるだけのため、曲がりの度合いによっては、とりあえずかろうじて釣りを続けることが出来る場合も考えられますが、タングステンシャフトの場合は曲がったりせず、限界を超えたら一気に破断し折損するため、釣りそのものを続ける事ができなくなります。
そのため、実釣(特に遠征釣行)で使用される際は、必ずスペアシャフトをご持参ください。
・互換性について
当商品は、AbuGarcia社製「Ambassadeur」シリーズ専用商品として開発しました。他社製リールでの使用についての互換性は不明です。使用については、自己責任でお願いいたします。
・適合機種について
「6500××××や、5500××××に使用できますか?」などのように、リールの適合についてお問い合わせいただきますが、ABU社製リールはカップを入れ替えて使用することができ、特に中古でご購入された場合は、表示モデルと実際のモデルが異なる場合があります。また、同じモデル名でも、数タイプあるものも存在するため、適合については、回答できません。
ご購入前には、必ずリールを分解し、「シャフトの全長。スプールの径。スプールからシャフトが抜ける(シャフトがスプールから分離する)こと」をご確認ください。